前回までは結露のメカニズムと結露を起こさない住まい方を説明いたしました。
窓の結露3では・・・もう少し具体的に結露が出る理由と解決方法を探ります。
写真のように部屋のサッシがこのようになっていたとしたら・・・・・・。
この解決方法を考えてみます。
生活上(人体からの発熱と調理、お風呂等)で発生した水蒸気は各部屋に均等に分散するので温度が低い非暖房室では含むことができないためいち早く露点温度に達してしまいます。
そこで発生した最初の結露は最初の発生した地点を中心に広がっていく性質があります。
その理由は・・・?
①結露すると各材料が湿り、湿り気を帯びた材料は熱伝導率が上昇してしまいます。
熱伝導率が大きくなると、熱の伝導が多くなり、室内側の温度が下がってしまうのです。
そのため露点温度がさらに低くなり、ますます結露の発生を助長させる経過をたどります。
②また、表面結露が発生すると、部屋の空気は結露が発生した所に接しているものだけが含んでいた水蒸気を一部が水に変えてしまったことになり、水蒸気圧が減少します。
そのために、その部位と他の一般空気との間に水蒸気の流れが生じ、結露を生じた面には水蒸気の補給が続くことになるのです。
ちなみに内部結露も同様で、一度内部結露が生じると、結露の発生層の水蒸気圧はその温度における飽和水蒸気圧で止められてしまい、それ以上の水蒸気は水になるので、水蒸気の流れは室内外の水蒸気圧分布と異なり、結露発生層の飽和水蒸気圧との差で流入してくるので、透過水蒸気量が増大するのです。
従って、一度結露が発生してしまうと住まい方とか結露の原因を取り除かないと自然に結露は増大してしまいます。
また、結露は以下のような性質があります。
1・結露は最初に部屋の隅と窓ガラスで発生します。
部屋の各部位の表面温度は、位置によって少し異なったものになります。
一般的に室内温度は対流によって天井面は床面より高いのですが、窓ガラスの表面及びアルミサッシ枠は最も低いので表面結露は最初にここから始まります。
部屋の隅の場合は空気のよどみができるため、室内の空気からの熱の伝わりが悪くなり、同時に室内各表面からの輻射による熱の伝達も少なくなります。
さらに、よく結露にみまわれる隅部は平面と立体的熱流となるため拡散される熱量は大きくなるので他の表面温度より低くなる傾向にあります。
そのため隅部の表面温度は他の平面部より3℃前後低くなるので、部屋数が多く小さい部屋ほど暖房が十分いきわたらず、暖房室より離れた部屋になるほど温度が低く内部結露が発生しやすくなります。
2・夜間、暖房が止まってから結露します。
暖房されている部屋では表面結露はほとんど発生しません。
住宅の場合は日中炊事やその他の水蒸気の発生が加わるので平均20〜25℃で60%くらいの状態になっているものが夜間に暖房を止めると温度だけが降下して、低温で高い相対湿度を示すようになり結露が発生しやすくなります。
間欠暖房でFFヒーター以外の開放型のファンヒーターとか反射式ストーブとかガスストーブを使い、夜は暖房を止める生活をしている場合は、暖房を止める就寝時には室内の水蒸気をできるだけ外気に排出しておく必要があります。
しかし、排出した量だけ低い温度の外気が入ってくることになるので、暖房がないと小さな温度降下でも露点温度に達してしまい結露は防ぐことはできません。
若し、夜間も暖房していて窓に結露が出るというのであれば、窓の断熱性能が弱いサッシであるか、カーテンをインテリア遮光などの他省エネルギーの意味で使用して閉めっぱなしにしていると窓の結露が激しくなります。
このような場合は上下にスリットをつくり、窓に空気の流れを作って表面温度を上げる工夫が必要です。
勿論、この条件には就寝時にも暖房をする。・・・といった条件がつきます。
3・冬の外気を積極的に取り入れる。
冬の空気は湿った空気(相対湿度の高い空気)であっても水蒸気の量は少ない。
絶対湿度でいうと、北国では2g/m3前後、関東では3g/m3前後あるようですが、この空気を部屋の中に取り入れて暖めると非常に乾いた空気となります。
例えば3g/m3の空気を10℃に暖めれば32%の相対湿度の空気になり、20℃に暖めれば17%の空気になります。
したがって冬の外気を積極的に取り入れる場合には、外気を暖房器で温めると露点温度が上がり結露防止には非常に効果があります。
4・水蒸気は建物内に分散される。
建物の何処かで水蒸気が発生すると、外に向うだけでなく、建物の内部に拡散されてしまいます。
炊事、風呂、人体から発する水蒸気は非暖房室に向ってどんどん拡散されていきます。
水蒸気は10万分の4mm(100m先の米粒を見るくらいの大きさ)と極微小粒子と言われ、部屋を閉め切っていても扉の隙間や壁材料の透湿によって他の部屋に流れてしまいます。
そのため、できるだけ水蒸気の発生源場所で排気することが結露防止に非常に大切となります。
一般的に結露が発生する室内環境は温度が10℃前後で相対湿度が85%以上になっていることが多くみられます。(これは部屋全体の温度ではなく、各部位の表面温度のことです。例えば窓の表面温度は室温が20℃で外気音が0℃の場合の単板ガラスの表面温度は7.0℃くらいです。このため室内空気の相対湿度が43%になるとガラス面に結露がはじまります。ちなみに。ペアガラスにすると12.9℃で相対湿度は64%になるまで結露はしません。二重サッシの場合は内側のガラスの表面温度はぺガラスに近いものになります。)
そこで、こんな環境の場合の基本的な最低必要な改善案は
①断熱材を付加すること。
②室内湿度の軽減を図るために外気を流入させて換気をすること。
が改善案となります。
①の断熱材を付加するということは表面温度を高くすることになり露点温度を上げる環境を作ろうということになります。
室内の水蒸気量が変わらない生活スタイルの場合には露点温度を上げる工夫が手っとり早い解決の一歩となります。
その方法には
現在結露が発生していない部屋と同じような環境にすることが必要となります。
その環境とは?
単純にひとつの空間(家)に暖房室と非暖房室があるから問題であって、結露していない部屋と同様の環境にしましょう。」ということになります。
同じ環境にするということは全室暖房をするということなのですが、
「暖房するのはもったいないから・・ちょと?」ということであれば結露する部屋あるいは各部位の断熱性能を上げる工夫が必要です。
それは、先に窓の断熱性能を説明したように、例えば窓枠及びガラスの断熱性能を現在よりワンランク上げることになります。アルミサッシがついていれば断熱性能が高いプラスチックサッシに交換、又は内側に後付けのプラスチックサッシを取り付けます。現在のサッシに単板ガラスがついていればぺガラスに交換する。といった露点温度を上げる工夫をすることで窓の結露は大分緩和されます。(但し、二重サッシにした場合は外側と内側のサッシの間の空気層はペアガラスのような密閉乾燥空気層ではないので外側の枠、ガラスには結露は発生します。)
参考に、内側に後付けのプラスチックサッシをつける場合は大信工業のプラストサッシがお薦め。http://www.daishin-kogyo.co.jp/plast.php
次に
非暖房室に暖房するのはもったいない!
また二重サッシ(ペアガラス)にするのは「ちょと?」と予算的に無理であれば
非暖防室は水蒸気量が多い訳なので水蒸気量を減らすために除湿器が必要になります。
しかし、一般の除湿器はすぐに貯水タンクが満杯になってしまい日常生活では交換は頻繁になりわずらしさが残ります。
その場合は「水捨て不要のルームドライヤー」がお勧め、換気と除湿が合体された商品で値段も定価で施工費別途で50.000円くらいです。
またはエアコンのドライ機能を利用するとよいでしょう。
②の外気を流入させて換気することは、結露を起こさない最低の換気量は換気回数にして最低でも1時間に0.3回程度室内の空気の入れ替えがあれば結露は防ぐことができます。
そこで第三種のノンダクトの局所換気扇でいいですので換気量(排気量)を実測して設置するよいでしょう。
ただし外気を取り入れる給気口の設置が必要です。
また、気密住宅でない場合は換気扇をつけてもショートサーキットが起こり、計画通りの換気ができないこともあるので0.3回~0.5回くらいを目安にして、少し多めの換気量設定しましょう。
換気量が多いとそれだけ暖房費がかかるので、結露の発生具合をみながらベストな換気回数に調整します。
しかし、これらはすべて対処療法です。
①の断熱材付加するだけでは室内の水蒸気(絶対湿度)を低減させることはできません。
家全体ではなく各部位の露点温度を少し高くするだけです。
②の外気導入は室内に水蒸気(絶対湿度)が低い空気を入れるのは温度が低いためすぐに露点温度に達してしまいます。
結露を防ぐためには窓の結露2(結露を起こさない住まい方)で説明したように
結露防止の4原則
①湿度のコントロール(室内の湿度の上限は60%前後までコントロール)
②換気の促進
③空気の流通を図る。
④室温を適温に保つ
でした。
結局、これらは言い換えれば高断熱・高気密住宅を作る時の基本作業なのです。
それは断熱・気密・換気・暖房の4つのバランスの4項目です。
断熱性能を上げて露点温度を上げる。
気密性能を上げて換気ルートを計画的につくる。
その上で
換気の入れ替えを計画的に行い室内の水蒸気量を低減させる。
換気で失われた熱損失分は暖房で補い室内温度を一定させて全室露点温度を上げる。
結果、全室暖かく結露が発生しない住環境が作れるのです。
結露が発生するのはこのバランスが崩れた時に発生するのです。
※畳の結露。カビについては明日に続きます!
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